夫よりも義父を愛して…。 浜辺栞帆

作品の感想&レビュー

1. 松田渉

   2024年4月2日

   心の危うさをも写し出すような生々しいセックス

   高齢のAVファン向けの作品だと感じられる部分があり、このシリーズにはあまり好感を持ちませんでした。しかし、この作品は良かったと感じました。

   浜辺さんの演技はあまり上手くありません。夫とのやり取りは、緊張しているせいか、DV被害者のように怯えて見えます。セックス中の台詞は聞き取りづらく、ずっと目を閉じたままです。失敗作になりそうなのに、奇妙なほどエロティックで、演技の拙さが気にならなくなりました。

   意図的にそうした役柄を演じているのかはわからないが、浜辺さん演じる若妻は誰も愛してくれないという台詞を発しており、夫との関係が壊れ女性として自信を失っているだけでなく、元々自己評価が低く、そのため義父との関係に依存する危ない女性に見えます。そのため、このタイトルにもかかわらず、女性が義父に都合の良い女になっていないだけでなく、一つ間違えれば義父にとって重荷にもなりかねず、義父がたじたじとなっているところに新しさを感じました。

   木村監督は独特の映像で個性があり、私には少し理解しきれない部分がありました。

   しかし、夫と子作りSEXを～の澄河さんは、セックスへの恐れのようなものを感じさせるエロチックな一面がありました。この作品の浜辺さんも、熟女というには若い女性のセックスを妖艶に撮っているだけでなく、二人の内面的な危うさや揺らぎを捉えていて、素晴らしいと感じました。

   気になるのは、澄河さんも浜辺さんも専業主婦の役を演じているが、今の30代以下の女性には専業主婦という立場は現実味が薄いのではないかと感じます。二人とも、仕事をしている女性の役の方がより生き生きとした姿を見せられるのではないかと思います。