付き合ってない男女の温泉旅行

作品の感想&レビュー

1. オタクのおっさん

   2025年5月3日

   男女の愛の終着駅へと至るまでの物語を楽しむ

   最初に、私は『友達の関係が一番興奮する、恋人ではなく』『女友達のジャンルが一番スリルがある』と公言して恥じない人です。

   私はこの本を買って以来、何気ない瞬間に見返してしまうほどお気に入りの作品となりました。タイトルからしてぴったり！さて、今度はどんな男女が登場するのかな！？と思っていたらこれですよ。

   ヒロインと男友達の、友達ならではの気の置けない距離感で、しかし互いに思いやりを忘れず、やがてその思いは恋愛感情に変わっていきます

   青空のように爽やかな読後感でした。二人で並んで歩くシーンで恋人同士のように手を繋いでウォォォ！と声を出したあなた。共感です。

   長くなりましたが、このレビューをお読みになった方、ぜひ手に取ってみてください。

2. 松本尚也

   2024年11月11日

   こんな思い出が俺にもあった気がする

   髪ピンを飾るうどんを食べている場面や、雪かきをしている姿に感心したり、友達が地元を離れる寂しさや、日常のシーンの細部までの描写が素晴らしい。他の作品でも思ったけど、雪の表現が本当に巧みだ。

   エロ本を買ったつもりが、物語としても感動した素晴らしい作品だった。傘をさして歩いているページはまるで歌になる。日常パートで彼女のことをよく知ることができるから、エロパートも楽しめたよ。しっかりとエロいけどね。

   応援しています。描き続けてくださいね。

3. しんのすけ

   2024年1月9日

   「余りもの同士」の卑屈さが無いさわやかな物語

   周囲が次々と他県へ流出したりゴールインしてしまったりして、とうとう二人だけになってしまった男女が温泉旅行に出かける話。

   卑屈さがなく、余りもの同士で引っ付こうかという気持ちはなかった。温泉に行くことになっても、二人がセックスをすることを全く意識していなかった。現地に行き、互いの優しさを身近に感じて距離が縮まり、自然と肌を重ねる流れになった。

   ラストのページでさらっと触れられているが、おそらく全編ほとんどが日本海側の冬の鉛色の雲に覆われていた。そんな雲の下で温かく微笑み合う二人を描いた読後感の良い作品だった。