四畳半の狭い部屋で夫婦生活している母子

作品の感想&レビュー

1. 金魚埠頭

   2024年9月19日

   母子夫婦生活でも終始母親を貫く名作、そして閉経実母

   最初に、相手が恋人でもなく、あくまで母親であることに徹底している様子がとても好感を持てました。
   タイトルで夫婦生活と謳っているが、実際には生活スタイルの話であり、母親は夫婦よりも親子という関係を重視していました。
   何度身体を重ねても快楽に陥ることなく、息子に名前で呼ばれても母親であることを貫き、
   息子にお説教をしたり、時折は息子の将来を案じたりしています。
   体型もまさに女性であるよりも母親であることを選んだという感じで、ムチムチです。
   マザコンサークルを自称するだけあって、この展開には感心します。（他の作風ももちろん好きですが）

   閉経した母親との夫婦生活、言ってしまえば子供を残さずもう後は終末を迎えるだけという切なさが強く感じられます。
   それでもなお母子夫婦としての生き方を選び、日常を明るく営むという血の繋がりの強さが本当に美しく感じました。

   閉経した母親の特有の要素として、閉経しているから中出しし放題というものがあるが、
   それがただ中出ししたいという一方的な欲望ではなく、誰もが母親を選んだという愛情表現として描かれているのも良かったです。

   息子も例外なくマザコンで、とても楽しめる作品でした。
   今作は少し調子に乗っている感じがして、それを諭す母親のような雰囲気で、1作目や2作目とはまた違った味わいでよかったです。

   次回作も楽しみにしています。